【デスクで昼寝:完全攻略】医師が教える11の効果的な仮眠方法

【デスクで昼寝:完全攻略】医師が教える11の効果的な仮眠方法医療・医学

人間、朝起きて仕事や勉強をして、お昼ごはんをたべると、必ずといっていいほど午後眠くなりますよね。

これは、人間として当然の現象なんです

眠気には約24時間周期、約12時間周期、約2時間周期のリズムがあり、午後の眠気は約12時間周期のリズムを反映しているからです。

昼休みにちょっと昼寝してみたはいいものの、

「デスクでうつ伏せ昼寝すると、腕や足がしびれて嫌なんだよなぁ」

「昼寝しても起きたらまだ眠くて、スッキリしないんだよ」

という人に、今回は、昼の仮眠に関する研究や論文から、医学的見地に基づいて、効果的なお昼寝・仮眠の方法を解説します。

①音、光、湿度、温度による刺激が少ない環境で寝る
②浅い睡眠が保てる姿勢で寝る(横になって寝ない、うつ伏せorリクライニング姿勢)
③仮眠時間は5分以上、20分以内
④仮眠前にコーヒーを飲む
⑤寝る前に○○分後に自分は必ず起きる、と暗示をかける
⑥毎日決まった時間に昼寝する(仮眠習慣を作る)
⑦起きた直後に冷水で洗顔する
⑧起きた直後に光(2000ルクス以上)を浴びる
⑨起きた直後に自分の好きなアゲアゲの音楽をきく
⑩昼食後から14時までに済ませる
⑪起きた後、腕や足がしびれない姿勢で寝る

①音、光、湿度、温度による刺激が少ない環境で寝る

これは体感的にも分かると思いますが、

・うるさいところ
・明るいところ
・じめじめと湿気たところ
・寒すぎたり暑すぎたりするところ

では、なかなか寝付けませんよね。

・静かなところ
・明るすぎないところ
・じめじめとしていないところ
・適度な室温であるところ

など環境を整えてお昼寝しましょう。

音や光を遮るために、耳栓アイマスクを使用するのもよいでしょう。

脳波を測定し、最適な入眠と覚醒をサポートしてくれる仮眠専用のアイマスクとかもあります。

睡眠惰性を軽減させる

「睡眠惰性」とは、仮眠から目覚めた直後に、眠気や疲労感が残っている状態のことをさします。

いわゆる、寝たのにスッキリしない状態のことですね。

これが起こらないようにする、つまり、寝起きがスッキリする方法をこれから解説します。

深い睡眠にならないようにする

②仮眠時間は5分以上、20分以内

睡眠には、1~4までの段階(ステージ)があり、数字が大きくなるにつれて、深い眠りになります。

このうち、ステージ3、4の深い眠りの状態で起きると、睡眠惰性が出現します。

したがって、スッキリした状態で起きるには、ステージ2の状態で起きる必要があります。

睡眠段階は、
・入眠後約5分でステージ1→2へ移行
・入眠後約20分でステージ2→3へ移行します

以上から、ステージ2の状態で起きるためには、仮眠時間を20分以内にすべきです。

長くとも30分以内には起きるようにしましょう。

また、仮眠時間5分以内のステージ1の状態で起きた場合をみてみると、

一時的に眠気は改善しますが、その後また眠気が襲ってきて、作業効率は改善しなかった、という報告があります。

まとめると、仮眠時間は5分以上、20分以内におさまるようにしましょう!

参考文献:林 光緒,堀 忠雄:午後の眠気対策としての短時間仮眠:生理心理学と精神生理学.25(1):45-59,2009.

③浅い睡眠が保てる姿勢:横になって寝ない、うつ伏せ・リクライニングはどっちでもOK

ベッドやソファーなどに横になって寝てしまうと、20分以上眠ってしまう可能性が高くなり、深い眠りの状態に入ってしまうため、お勧めできません!

じゃあ、デスクに座ってうつ伏せ VS 椅子のリクライニングで寝るのはどっちがいいの?

と思いますよね。それを検証した研究があるので、紹介します。

うつ伏せとリクライニングを1日ずつランダムに20分間仮眠
・睡眠ステージ2の時間は、両者に有意差なし
・作業効率は有意差なく、両者で改善あり
・仮眠前に眠気が強かった被験者が、リクライニングステージ3に達した
・主観的な眠気・疲労感の軽減リクライニングの方が良かった

以上をまとめると、

リクライニングの方が、寝起きのスッキリ感より良かった
だけど、眠気が強いと深い睡眠状態に入りやすいから、20分以上長く寝ないように気を付けるべし!
うつ伏せ作業効率は改善するし、眠気・疲労感も減ってるから良い姿勢

参考文献:菅原 芳,他:姿勢の違いによる日中の短時間仮眠の効果の検証.日本看護科学学会学術集会講演集 (40th-suppl): 1053-1053, 2020.

④仮眠前にコーヒーを飲む

コーヒーに含まれる「カフェイン」には、覚醒効果があります。

カフェインは摂取してから、15~30分後にその効果が現れるため、カフェインを摂取した直後に短時間仮眠をとれば、睡眠惰性を減らして、スッキリした状態で起きられます!

研究では、
カフェイン200㎎を摂取直後に、20分間の仮眠をとった群、
カフェイン摂取・仮眠しなかった群で比較すると、
カフェイン+仮眠の群は、眠気が約1/4になり、作業効率は約20%アップした

カフェイン200㎎というと、コーヒー約330mlくらいなので、ボトル缶のコーヒー1缶分くらい飲めばよさそうですね!

参考文献:Hayashi M, et al:The alerting effects of caffeine, bright light and face washing after a short daytime nap. Clin Neurophysiol. 2003.

⑤寝る前に○○分後に自分は必ず起きる、と暗示をかける

この暗示をかけることによって、自然とその時間に目を覚ます方法を「自己覚醒法」といいます。

通常、たとえば目覚まし時計の音などの外的刺激で、急に起こされた場合は、心拍数と血圧が一気に上昇して、目覚めが悪くなります。

一方、仮眠時に自己覚醒法を用いると、

・睡眠が急に深まることなく、中程度の深さに留まった
・覚醒3分前から緩やかに心拍数が上昇した
・起床後の眠気が抑えられた

という研究結果があります。

この方法は、仮眠時だけではなく、夜の睡眠時にも効果があると言われています。

参考文献:Kaida K,et al:The effects of self-awakening on heart rate activity in a short afternoon nap.Clin Neurophysiol. 2003 Oct;114(10):1896-901.

⑥毎日決まった時間に昼寝する(仮眠習慣を作る)

【普段、昼の仮眠習慣がない人において】
・仮眠1日目の起床後は、眠気が強く、睡眠惰性がでていた
3日以上連続で、仮眠を続けると、起床後の眠気が抑えられた

【工場労働者に月曜日から金曜日まで15分の昼の仮眠をとらせた】
・月、火曜日は仮眠をとらなかった場合と比べて、起床後の眠気は変わらなかった
水曜日から金曜日には、起床後の眠気が改善した

上記の研究結果からは、仮眠習慣を3日間続けると、睡眠惰性が減って、寝起きがスッキリする、ということが言えます。

参考文献:Hayashi M, et al:The effects of short daytime naps for five consecutive days.Sleep research online: SRO 5(1):13-17,January 2003.
Takahashi M, et al:Post-lunch nap as a worksite intervention to promote alertness on the job.Ergonomics. 2004 Jul 15;47(9):1003-13.

⑦起きた直後に冷水で洗顔する

これは、日常的に経験がある人も多いと思います。

冷風でも同様ですが、効果は一時的で、長続きはしないと言われています。

参考文献:Ferrara M, et al:The sleep inertia phenomenon during the sleep-wake transition: theoretical and operational issues. Aviat Space Environ Med. 2000.

⑧起きた直後に光(2000ルクス以上)を浴びる

「朝起きて太陽の光を浴びると、目が覚める」と昔からよく言われていると思いますが、仮眠でもその効果は実証されています。

このような研究結果があります。

・20分の短時間仮眠の起床後に、2000ルクスの光を1分間照射した
・照射した群は、単に仮眠をとっただけの群に比べて、覚醒効果が高く、睡眠惰性が軽減された
参考文献:Hayashi M, et al:The alerting effects of caffeine, bright light and face washing after a short daytime nap. Clin Neurophysiol. 2003.

2000ルクスの光がどれくらいの明るさの光かというと、

スーパー、コンビニ、パチンコの店内の明るさ
ショーウインドウの中の明るさ
・福岡ドームの内外野の位置の明るさ
曇りの日の、日の出から1時間後の太陽の明るさ

こよみハンドブックHPより引用

とのことです。体感的には、それなりに明るそうなイメージですよね。

目覚まし時計の音刺激による覚醒よりも、光刺激による覚醒の方が自然に、緩やかに起床できることが分かっています。

したがって、光目覚まし時計が、仮眠後の起床にも、毎朝の起床にも有効です。

上記の光目覚まし時計は、もぱんも1年以上愛用していますが、やはり音で起こされるよりも、緩やかに起きられる感じがします。

しかも、一気に明るくなるわけではなく、それこそ段々と日が昇って明るくなるように、少しずつ明るくなっていく機能がついています。

注意点としては、時計と20㎝の距離で約3300ルクスの明るさになっているため、時計と顔があまりに離れてしまうと効果がなくなります

設置するときは、距離に十分気をつけてください!

詳細なコチラ↓

 

もし、距離が離れてしまうことに不安を覚える場合は、光源との距離がぼぼゼロとなるアイマスク型の光目覚まし時計もおすすめです!

⑨起きた直後に自分の好きなアゲアゲの音楽をきく

起床直後でなくても、自分の好きなアップテンポな曲を聴くと、気分が上向いてくることは、みなさんよく知っていると思います。

研究結果でも、仮眠の起床直後に、自分の好きなアゲアゲの音楽を聴くと、眠気が改善されるだけでなく、その後の作業効率も上がった、と報告されています。

参考文献:Hayashi M, et al:The effects of the preference for music on sleep inertia after a short daytime nap.Sleep and Biological RhythmsVolume 2, Issue 3 p. 184-191,2004.

⓾昼食後から14時までに済ませる

大前提として、午後の遅い時間に仮眠をとってしまうと、夜の入眠が遅くなってしまい、睡眠のリズムが崩れてしまうため、推奨できません。

では、14時までの間で差があるのか? というと、以下の研究結果があります。

20、21歳の成人に対して20分間の仮眠を、12:20または14:00にとらせた
12:20に仮眠した場合、眠気は改善されたが、作業効率は変わらなかった
14:00に仮眠した場合、眠気作業効率がともに改善した

上記からは、12時台よりも14時に仮眠をとった方がパフォーマンスが良くなる、と解釈できます。

一方、こんな研究もあります。

高校生を対象に、13:15から15分間の仮眠を導入させた。
・導入前の3年間と導入後の3年間を比較すると、導入後の方が大学入試センター試験の成績が向上した

これをみると、13時台でもパフォーマンスは良くなる、と考えられます。

まあでも、12時台でも仮眠をとらないよりはとった方がいいので、昼休みが12時台しかないのであれば、そのときに寝てしまった方がよいでしょう!

⑪起きた後、腕や足がしびれない姿勢で寝る

上の写真のように、デスクにうつぶせ寝すると、起きた時には腕や足がしびれてることが結構ありますよね。

これは、腕の血管が圧迫される、足の付け根の血管が折れ曲がることで、血流が悪くなり、神経に必要な酸素が足りなくなることで起こります。

正座すると、しばらくして足がしびれるのと同じ仕組みです。

腕がしびれない姿勢

腕がしびれないようにするには、頭が直接腕に乗らないようにします。

上記の商品のように、腕を下に通すタイプの腕枕であれば、直接頭が腕に乗らないため、腕がしびれることがなくなります。

または、リクライニングの姿勢であれば、そもそも頭を腕に乗せる必要はありません。

たとえば、上記のようなイメージですね。

下記商品は、足を置くフットレストがあり、リクライニング角度も自由に変えられるので、おすすめです!

足がしびれない姿勢

上の図をみてください。デスクにうつぶせ寝すると、足の付け根の血管が過度に折れ曲がってしまい、足への血流が悪くなるため、しびれを起こします。

足がしびれないようにするには、通常の座った状態に近い姿勢か、リクライニングの姿勢をとる必要があります。

リクライニングの姿勢は、先ほどのリクライニングチェアーを使えばできますが、

通常の椅子しかない場合はどうすればよいでしょうか?

コチラの枕を使えば、通常の座った状態に近い姿勢でデスクで仮眠をとることができます。

デスク 昼寝姿勢

この枕をデスクにおいてうつ伏せても、上半身が前に傾きすぎていないため、足の付け根の血管は折れ曲がりません。

イラストで表現すると、上図みたいなイメージになりますね。

もぱんの医局のデスクには、いつもこれが置いてあり、愛用しています(笑)

参考文献:菊井祥二,他:Q 正座をするとなぜしびれるのでしょうか?.治療 95(4): 596-597, 2013.

お昼寝の効果

・眠気、疲労感、気分の改善
・作業意欲・効率の上昇
・生活リズムの改善
・心臓の冠動脈疾患の死亡率が低下
・アルツハイマー型認知症の予防効果

適切な昼寝・仮眠には、いろんな良い効果があり、多くの研究で実証されています。

地中海沿岸部では、「シエスタ」と呼ばれる仮眠習慣があったり、江戸時代にも奈良には昼寝の文化がありました。

現在でも工場の作業員や肉体労働者では、体力・注意力を維持するために、昼休みに仮眠をとることが多いといわれています。

どれも経験的に、昼寝の効果が分かっていたため、取り入れられたのでしょう。

参考文献:林 光緒,堀 忠雄:午後の眠気対策としての短時間仮眠:生理心理学と精神生理学.25(1):45-59,2009.

まとめ

11の効果的な仮眠方法をまとめます。

①音、光、湿度、温度による刺激が少ない環境で寝る
②浅い睡眠が保てる姿勢で寝る(横になって寝ない、うつ伏せorリクライニング姿勢)
③仮眠時間は5分以上、20分以内
④仮眠前にコーヒーを飲む
⑤寝る前に○○分後に自分は必ず起きる、と暗示をかける
⑥毎日決まった時間に昼寝する(仮眠習慣を作る)
⑦起きた直後に冷水で洗顔する
⑧起きた直後に光(2000ルクス以上)を浴びる
⑨起きた直後に自分の好きなアゲアゲの音楽をきく
⑩昼食後から14時までに済ませる
⑪起きた後、腕や足がしびれない姿勢で寝る

 

上記を心がけると、ホントに寝起きがスッキリしますよ!

 

 

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