2022-60 上下左右の注視のシェーマを別に示す。診断はどれか。

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a 右中脳障害

b 左MLF症候群

c 右動眼神経麻痺

d 右外転神経麻痺

e 右one and a half症候群









正答)  e 

本問は「2022年予想問題集」の中で出題し予想的中したone and a half症候群の問題。

one-and-a-half症候群とは患側へは両眼が動かず(one),健側へは片眼が動かない(half)という特異な症候から命名された水平性共同性眼球運動障害で,同側の内側縦束(medial longitudinal fasciculus:MLF)症候群(同側眼の内転障害および対側眼の外転時の単眼性眼振.輻榛は可能)に加えて.同側への側方共同性注視麻痺を特徴としている。

水平注視に関係する内側縦束(MLF)傍正中橋網様体(paramedian pontine reticular formation:PPRF)の障害である。どちらも橋に存在する。

2021年の多選択肢式に関連する問題が出題された。その問題では、

  • 中脳:垂直注視内側縦束吻側間質核(rostral interstitial nucleus of the medial longitudinal fasciculus:riMLF)が関係
  • 橋:水平注視内側縦束(MLF)と傍正中橋網様体(PPRF)が関係

ということが理解できていれば、正答できた。

この問題を基にして、そのうちone-and-a-half症候群が出題されてもおかしくないため、予想問題としたところ、見事的中した。

本疾患は、神経内科的な疾患であるため、耳鼻科医が一生に一度出会うか出会わないかくらいの疾患。
または、出会っても気付かないが、なんかおかしいので、神経内科へ併診する程度だろう。

普通に勉強していたらまず解けない難問。

しかし、「2022年予想問題集」を利用した受験者の多くが「one-and-a-half症候群でました!」と嬉しそうに報告してくれたため、問題集を利用した約100人の多くが解けたと考えられる。

試験委員もさぞびっくりしたに違いない(笑)

解説に戻ると以下のようなメカニズムになっている。

右か左かよくわからなくなるので、そこは注意。

今回は左右を問う問題はでていないが、今後は右と左の両方が選択肢に出る可能性がある。

「患側へは両側動かない」を覚えておこう。



参考までに、「2022年予想問題集」で出題した予想問題を載せておく。

問)70歳の男性。強いめまいと嘔気、複視の訴えで救急搬送された。注視眼振検査と頭部MRI拡散強調画像の所見を示す。次のうち、正しいものを2つ選べ。

a 小脳虫部の障害を認める。

b 右内側縦束の障害を認める。

c 輻輳は障害されていない。

d 左one-and-a-half症候群である。

e 傍正中橋網様体は障害されていない。

参考資料:小川 恭生:【耳鼻咽喉科医が見落としてはいけない中枢疾患】One-and-a-half症候群.ENTONI(1346-2067)166号 Page123-126(2014.04)

答えは↓












答え)c d

a 小脳虫部の障害を認めない。小脳虫部なら体幹失調が出現する。

b 右ではなく、左の内側縦束の障害を認める。

c 輻輳は障害されず、保たれる。

d 左のMLFとPPRFが障害されており、また左へは両目とも動いていないので、one-and-a-half症候群としては患側は左である。

e 左傍正中橋網様体が障害されている。


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多選択肢式で、それぞれがっつり100問合計200問あります。

日頃の問題演習として利用してもよいですし、模試代わりに使ってもよいでしょう。

試験勉強は、過去問が第一ですが、2021、2022年には新傾向問題が多く出題されました。
新しい話題をほんの少し頭に入れておくだけで、合格率に差が出ますよ!

また、2022年版は受験者の約40%が利用していました。

2023年版はより多くの利用が見込まれます。

もしかしたら利用していない方が少数派になるかもしれませんね。

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